次世代社会基盤情報 寄付研究部門 CSIS-i 紹介

はじめに

  当センターでは、平成20年4月より、持続安定的な空間情報社会を実現するための総合的かつ実践的な研究を行うことを目的として、寄付研究部門「空間情報社会研究イニシアティブ」を設立し、様々な活動を進めてきました。 中でも、125法人が参加する「地理空間情報流通実験コンソーシアム」や、様々な都市圏の人に関する流動データを提供する「人の流れプロジェクト」などの取組が大きな活動に成長してきました。
  こうした背景のもと、データの持続的・安定的な流通体制を構築するための、データの加工・二次利用に関する運用ルールや品質評価の基準の確立、これらの実現のための効率的なデータ処理サービスの展開等を進め、提供者と利用者が円滑に地理空間情報をやり取りすることができるコミュニティを醸成することなどを目的として、2011年6月に「次世代社会基盤情報 寄付研究部門」を設立しました。


様々な空間情報技術の発展

  クラウドコンピューティングやスマートシティ、ソーシャルネットワーク、ユビキタスコンピューティング、ITSセカンドステージなどの背景として、位置・場所情報をキーとして情報空間と実空間をつなぐための新しい空間情報技術が我々の日常生活に浸透しつつあります。これらの次世代空間情報技術は、位置からの情報検索・情報発信、ナビゲーションはもちろんのこと、運転支援、防災・防犯、震災復旧、緊急対応など、実社会での場における様々な利活用が期待されています。


政府の動き

  また、政府でも、空間情報活用の機運が高まってきています。例えば、地理空間情報活用推進基本法(平成19年5月)、改正測量法(平成19年3月)、経済戦略大綱(平成18年7月)、イノベーション戦略会議(平成18年10月)、GISアクションプログラム2010(平成19年3月)、CALS/ECアクションプログラム2005(平成18年3月)、新電子自治体推進指針(平成19年3月)などの動きがあります。


解決すべき課題

  しかし、期待を現実のものとするためには多くの政策的、技術的な共通課題があります。たとえば、共通基盤となる空間情報を持続的に更新・利用するためのパブリックなビジネスモデルの開発や空間情報プロダクトの精度・品質評価・認証方法、空間情報を活用した電子政府・自治体の推進、プライバシーや情報セキュリティ問題、シームレスな測位技術、さまざまな位置表現の連携・変換技術などです。


寄付研究部門の目指すところ

  本寄付研究部門は「空間情報社会(Geospatially Enabled Society)」の実現のために、学術的な立場から上記のような共通の政策的、技術的課題について調査研究を実施し、研究成果のインキュベーターとして政策提言と実証支援を進めます。

(1) 地理空間情報の流通・高次利用に関する技術基盤の開発
空間情報データの流通,管理,利用するための基盤技術の開発・実証
(2) 産官学が円滑に地理空間情報をやり取りできるコミュニティの醸成
地理空間情報流通のための協議会を立ち上げ,地理空間情報流通のための仕組みを整備することで空間情報産業に貢献する
(3) 地理空間情報に関する研究開発の促進活動
総合科学技術会議での海外展開勉強会開催や、内閣官房との連携による研究開発マップの作成、G空間エキスポの企画支援など
(4) 地理空間情報基本計画の見直し作業支援
内閣官房,国土交通省・国土計画局を支援
(5) 個別省庁、地方自治体への研究開発案件の提案活動
震災復興、防災、室内外測位、IT農業、地域共同整備など

  関係者共通で進める基盤プロジェクト(「地理空間情報流通実験」と「人の流れプロジェクト」)や個別に関係企業等と進める個別プロジェクトを中心としつつ、前寄付研究部門で行ったきた政策支援活動も引き続き継続します。